さしま茶は濃厚な味と香りがたまらない!扱っているお店を詳しく紹介

さしま茶紹介

さしま茶は、茨城県西地域で生産されている日本茶の1つです。厚みのある茶葉から抽出される濃厚な味と香りが特徴で非常にコクがあります。最近では、深煎りすることで甘みが強く飲みやすい味になり地元ではペットボトルで販売されるなど人気が高まっています。

今回は、さしま茶の魅力を徹底解説、美味しいさしま茶を通販購入できる茶店までをご紹介します。お茶好きな方は、ぜひこの記事を参考にして美味しいさしま茶を購入してください。

さしま茶とは

茨城県西部に位置する猿島地方(古河市・境町・坂東市・八千代町・常総市)で栽培されています。茨城県にはさしま茶という素晴らしい特産品があります。まずは、さしま茶の由来や魅力、歴史をご紹介します。

由来

茨城県西部は、古来は下総国(しもうさのくに)と呼ばれていました。農業が盛んで、水田や、麦・茶・タバコなどの畑作地として利用されていました。19世紀中ごろ(弘化年間)に辺田村の庄屋であった中山元成が製茶を学び、さしま茶の品質向上につとめました。それが発展して猿島茶(さしま茶)が特産品となりました。

土地が肥えて作物が育ちやすかったことが、濃厚な香りのする茶葉の成長を助けました。水運要衝の地にうまれたことで、江戸時代に流通するようになり下総国の名産として多くの人々に親しまれてきました。

さしま地方

鬼怒川と利根川に挟まれた茨城県西部地域3市(古河市・坂東市・常総市)・2町(八千代町・境町)をさしま地方と呼んでいます。日本で最初のローカル線、真岡鉄道(筑西市)が有名なだけでなくユネスコの無形文化遺産にも登録された「結城紬」も有名です。

鬼怒川・小貝川、多くの平地林など、豊富な資源にも恵まれており、温暖で夏は暑く、冬には強い北西の風で非常に寒くなります。肥沃な土壌とこの寒暖の差が茶葉に厚みをもたらすのです。茶葉に厚みがうまれると、味が濃厚になるだけでなく日本茶らしい芳香が立ちのぼります。

江戸時代から名産品として多くの人々に愛されてきた「さしま茶」は深蒸しが一般的となり、各生産者が自園・自製・自販の茶業経営を展開するようになりました。

歴史

1853(嘉永6)年、ペリー来航は江戸幕府だけでなく多くの人々に期待と不安を抱かせました。幕府に開港と交易の開始を強く迫りますが、孝明天皇は筋金入りの異人嫌い。ペリー来航前から、傍若無人な振る舞いに「品がない」と激怒していたようです。

地元の豪農である中山元成は、関宿藩より「さしま茶」の国内販売を託されていましたが、ペリー来航によって「海外での販売」を視野に入れるようになりました。国内より、海外と取引ができれば大きな利益が得られるのは目に見えています。アメリカ総領事ハリスにも接触し、「さしま茶」を日本の名産品として宣伝していきます。

1859(安政6)年の日米修好通商条約発効と同時に、「さしま茶」がアメリカ輸出に成功したことで「日本ではじめて海を渡ったお茶」として名声を博したのです。脂の多い食事のアメリカでは、香りが良くさっぱりと脂を落とす日本茶は大人気になり、明治時代にはさしま茶をはじめとした日本茶が海外に渡っていきます。

その後は、大量生産による粗製濫造やアメリカの「粗製茶輸入禁止条例」「着色茶絶対輸入禁止令」によって日本茶は衰退の道をたどります。それだけでなく、安く大量の製茶を提供する中国やインドの参入、戦争によって日本茶の輸入が渋り国内流通がメインとなっていきます。2016年3月には西アフリカ「ニジェール共和国」へさしま茶の輸出が正式決定するなど、再び海を渡り日本茶の素晴らしさを広げていきます。

さしま茶を扱っている販売店を紹介

さしま茶は歴史のあるお茶ですが、現代ではたくさんの専門店にてオリジナル製品が販売されるなど、さらに美味しく楽しめるように工夫がされています。それではさしま茶を通販購入できる販売店を紹介します。それぞれにこだわりの製法やオリジナルブレンドなど、手軽に楽しめるさしま茶が用意されていますのでじっくりとご覧ください。

長野園

長野園は、もともと境町百戸の長野家の軒先で店頭販売を行っていたのですが、2020年9月新たに整備されたモンテネグロ会館内へと移転して美味しいお茶を提供しています。
また、転移を機に、ヘルシーな軽食も楽しめるカフェ「茶cafe&shop chabaco」をオープンしたことでより多くの人に知られるようになりました。
ちなみに施設を設計したのは、新国立競技場を設計した隈研吾氏によるもので、独特なデザインが更に人気を集めているようです。

「あなたに寄り添うお茶」というコンセプトのもと、お客様のニーズに合わせたお茶づくりをしているところが美味しいお茶に繋がっているようです。 とくにお茶はお客様の笑顔を作るものという想いは、実際にお茶を飲んでいる方も幸せな気持ちになるほどの温かさを感じます。

chabacoは茨城猿島の銘茶さしま茶を、楽しんでもらうための長野園直営店です。日本茶のみならず自家製の紅茶もいただけます。chabacoでは長野園で製造する茨城県産の、紅茶・緑茶・ほうじ茶・ハーブブレンドティーが購入できます。

長野園の紅茶は「プレミアムティーコンテスト」で度々入賞を飾るほどの実力を持っており、高い評価を得ています。大手の有名紅茶店に負けない銘茶揃いで、甘みもあり和食との相性も抜群です。

日本茶をこれから始めたい人には「おとなのほうじ茶」がおすすめです。ほうじ茶は緑茶と違い、お湯の温度に気を使う必要がないので、食事のお供や一息入れたい時にも気軽に飲めます。お茶を美味しく飲むためには温度調整が難しいと諦めてしまうという人は、こちらの商品で味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

吉田茶園 → 紅茶

吉田茶園は、創業1839年のさしま茶産地の老舗茶園です。緑茶・国産紅茶を生産していますが、中でも幻の品種「いずみ」のお茶が有名です。1992年からいずみの苗木栽培を始め、2008年には「世界緑茶コンテスト」で萎凋煎茶・ウーロン茶(木村昇作)の2種セットで「最高金賞」を受賞しています。緑茶として高い評価を得た「いずみ」を紅茶にしたのも吉田茶園です。

「いずみの紅茶」は2018年おジャパン ティーフェスティバル内の国産紅茶のコンテスト「プレミアムティコンテスト」で最高賞の5つ星と4つ星を受賞しました。一般の紅茶好きからも高い評価を得ている「いずみのアーリーファーストフラッシュ」は、ダージリンのトップグレードにも匹敵する香りと旨味があります。いずみだけでなく「やぶきた」「ほくめい」など、日本紅茶らしい味わいを楽しめる紅茶が取り揃っています。吉田茶園は評価も高く、有名なので本格的なお茶を楽しみたいという方は、こちらを利用してみてはいかがでしょうか。

飯田園 → 手揉み茶

飯田園は栽培から製造、販売までを一貫して行っているお茶農家です。飯田園七代目 飯田耕平氏は、全国手揉み製茶技術競技大会において2度の最優秀賞を受賞。伝統技術を現代に受け継ぎ、最高品質のさしま茶をお届けします。自園のお茶をブレンドした緑茶をはじめとして、和紅茶や深蒸し茶など色んなお茶を扱っています。

一番人気の「こくり」は、ご自宅で一息入れたい時にぴったりのバランスに優れた緑茶です。気分をスッキリさせたい時には甘みを感じる「いっしん」を、さっぱりした後口の「さしま」は創業以来、伝統的に受け継がれてきたさしま茶本来の旨味を楽しめます。なかでもおすすめしたいのが手揉み茶です。飯田園の手揉み茶は飯田園七代目 飯田耕平氏が揉んだ7時間をかけて完成させていきます。
お湯を注ぐと静かに本来の若葉の形に広がってきます。輝くような黄金色の手揉み茶は旨味と香りも格調高く、ほのかな甘みを感じます。茶殻は捨てずに、かつお節をかけておひたしにしたり、白和え、サラダにしたりしていただいてください。

また、コロナ禍でマスク生活が長くなると口臭がきになりますよね。そんな時には携帯できる「噛み茶」もおすすめです。最高級手揉み茶を一枚一枚丁寧に揉んでいますので、噛むだけで口も中がスッキリします。茶葉のカテキンで口臭予防はもちろんですが、噛むことで唾液の分泌が活発になれば虫歯予防にもなりますしストレス解消にもおすすめです。

のむらの茶園 → カフェ

自社農園で、さしま茶の製造から販売まで手がけるのが野村産業株式会社「のむらの茶園」です。2017年には気軽にお茶を楽しむ「のむカフェ」をオープンし、御茶だけでなくお茶を贅沢に使ったスイーツや料理も楽しめます。カフェ横の店舗ではお茶やスイーツも販売しており休日にはたくさんの人で賑わいます。カフェでも人気の「宇治抹茶」は、自宅で気軽に飲めるだけでなくスィーツのトッピングとしても大人気。粉末にすることで、お茶の旨味を取りこぼさずにいただけます。

また、近年話題の「黒烏龍茶」「ルイボス茶」「ジャスミン茶」も2021年春から新発売になりました。店頭でも、宇治抹茶に続いて若い女性に人気です。すべて粉末ですので、スプーン一杯をポットに入れるだけで本格的なお茶が楽しめるのが魅力。さしま茶を身近に感じてもらえるような企業努力を感じますね。人気の「のむカフェ」はモダンな内装の空間と、和風の設えでお茶を楽しめるようになっています。

落ち着いてお茶を楽しみたい人には、癒しの間「茶室三笠庵」でのひと時をおすすめします。季節に合わせたプロジェクションマッピングや茶香炉から広がるお茶の香りが日頃の疲れを一気に吹き飛ばしてくれます。そして、めっ茶カレーやさしまほうじ茶ラテが人気メニューで、つぶあんと抹茶クリーム入りの「ふわふわも茶大福」は、抹茶好きにもスイーツ好きにも大人気です。併設の「のむらの茶園」でお土産として購入できますのでお帰りにはぜひ立ち寄ってください。

まとめ

今回は「さしま茶」を代表する茶園をご紹介しました。茨城県には、さしま茶だけでなく奥久慈茶、古内茶という産地があり、それぞれに個性のあるお茶が作られています。全国的に見れば生産量は少ないですが、品種を工夫し、栽培技術を高めてきました。

それが「和紅茶」や「和烏龍茶」幻の品種ともいえる茶品種「いずみ」を商品化するなどオリジナリティのあるお茶がたくさんあります。普段飲んでいるお茶とは、違った旨味や香りを存分に楽しめる「さしま茶」の魅力に触れ、ぜひこの機会に江戸時代から愛されてきた「さしま茶」をお試しください。